この記事では主要なSNSの特徴と、それぞれのSNSにおけるビジネス利用のポイントを解説いたします。
当初SNSは個人同士の結びつきが主流でしたが、現在では活用の仕方次第で企業のプロモーションの手段としての効果が期待できることが認知されています。
その場合、複数のSNSで共通のメリットとしてあげられるのが拡散力です。
ユーザーは「いいね」に代表される1クリックでアクションを起こし、「シェア」によってその情報を拡散します。
また、SNS上での交流はユーザーとの距離を縮め、知名度や好感度をアップし、企業のファンをつくることに結び付きます。
日本国内最多の利用者数を誇る LINE
LINEは日本国内でもっとも利用者の多いSNSです。
日本における携帯電話に占めるスマートフォンの割合は7割を超えていますが、その多くがLINEのスマホアプリを利用し、利用者数は7,000万人以上に上ります。
主な機能はメッセージおよびスタンプの送受信、音声による通話などで、比較的限られたコミュニティー内の連絡手段として多く用いられているSNSです。
また学校や家族、企業内における会社員同士の連絡ツールとしても活用されています。
LINEのビジネス利用
現在スマートフォンは幅広い年齢層に普及したことからスマホアプリとしてのLINEは若年層はもちろん、中高年層をターゲットとする企業にとっても有益なツールです。
また、多くの人が常に携帯するスマートフォンは飲食店やエステといった実店舗を持つビジネスと相性がよいといえます。
そのため、拡散力はやや低いものの、メールマガジンやクーポンなどでリピートを促し既存の顧客の囲い込みに適したSNSです。
またLINEには一般ユーザー向けの「LINE」以外にビジネス利用に適した企業や個人事業者向けの「LINE@」、企業向けの「LINE公式アカウント」があります。
このうちLINE公式アカウントは費用が高額ですが、LINE@ならメールマガジンやクーポンの配信などLINE公式アカウントと同様の機能も一部利用でき、リーズナブルな費用で活用可能です。
情報収集ツールとしても注目される Twitter
日本語では140文字以内のメッセージを投稿できる「ツイート」が特徴のSNSです。
かつては趣味や日々の出来事をつぶやくのがメインのツールでしたが、リツイートやハッシュタグといったユーザーコミュニティの形成にも適した機能が豊富なことから、東日本大震災をきっかけに情報収集ツールとしても注目されるようになりました。
匿名で複数アカウントを持つこともできるため、ネット上での比較的オープンなやりとりに用いられています。
当初は若年層の利用が中心でしたが、徐々に情報インフラとしても利用されるようになり、現在では幅広い層に浸透しているSNSです。
テキスト以外にも画像や動画、URLなども投稿することができます。
X(Twitter)のビジネス利用
X(Twitter)は企業におけるマーケティング利用に有効です。
具体的には商品やサービスの宣伝をはじめフォロワーとのコミュニケーションなど様々な用途が考えられます。
またX(Twitter)によるプロモーションは、堅いイメージを持たれがちな企業が人間味あふれるツイートをすることで親しみや共感を持ってもらえる効果もあります。
そこでまずX(Twitter)のビジネス利用では、商品やサービスの認知度を高め、フォロワー数を増やしていくことが大切です。
世界最大のSNS Facebook
Facebookは世界最大のSNSともいわれ、同僚や取引先とも繋がるケースが多いことからSNSのなかでは比較的フォーマルな存在です。
実名での登録が必要なことから信頼性が高く、利用者の年齢層は比較的高くなっています。
長文の投稿が許されることからビジネスになじみやすく、企業の広告・宣伝のほか、社内の共有掲示板として利用されることもあります。
Facebookのビジネス利用
Facebookは企業にとって参考となるポジティブなコメントが多いことからマーケティングに活用しやすいSNSです。
これは匿名のSNSと比較してネガティブな投稿が少なく、炎上のリスクも低いため、ビジネスにおける有益なコメントを収集したい場合に活用できます。
また、Facebookは企業向けのFacebookページを開設することにより強力な広告配信ツールとして利用できるため、ユーザーの趣味嗜好にあわせたターゲティングも可能です。
画像投稿がメインの Instagram
画像投稿がメインで、女性の利用者が多いのがInstagramです。
「インスタ映え」のワードでも話題となり、近年最も注目度の高いSNSとなっています。
文字によるコミュニケーションが主体ではないことから、直感的に利用できる特徴を踏まえ、見栄えがする仕上がりに画像を加工できる機能もデフォルトで持っています。
またInstagramでフォロワー数の増加を目指すにはハッシュタグを工夫するほか、投稿する画像のセンスが欠かせません。
Instagramのビジネス利用
InstagramではECサイトへ誘導できるショッピング機能によって投稿したページから自社ECサイトへの誘導が可能です。
そこで、InstagramのSNSとしての特性上、視覚的にアピールしやすい商材を取り扱ってる場合には非常にビジネスとの親和性が高くなっています。
その中でも美容関連企業や飲食店などでは売上に貢献する成果を得やすいといえるでしょう。
またFacebook Incが運営していることから、Facebookとの連携機能に強みがありますが、ビジネス利用にはFacebookページの開設も必要です。
ビジネスユースに特化した LinkedIn
LinkedIn(リンクトイン)は日本ではまだ馴染みが薄いものの、2003年にアメリカでサービスをスタートさせたビジネスユースに特化したSNSです。
ビジネスマンが公的なプロフィールとして用いたり、取引先の顧客とつながるために活用するなど、既存のプライベート利用中心のSNSとはやや性格が異なります。
世界200カ国以上で6億人を超えるビジネスパーソンが活用しており、日本でもユーザー数は200万人にまで増加しています。
LinkedInのビジネス利用
LinkedInは元来ビジネスに特化したSNSで、その用途は採用・広報・マーケティングの3つに大別できます。
このうち採用はLinkedInの認知度を高めるきっかけとなった活用方法です。
LinkedInを利用すれば企業側は求める人材を条件別に検索し、登録している会員に直接アプローチでき、求職者側では転職用のSNSとして活用されています。
また、企業ページを作成することでブログや動画、画像などを投稿活用して自社の広報や認知度の向上、ブランディングも可能です。
さらにターゲティングを行った広告掲載、個人へのダイレクトな営業を実現するメッセージ機能などによりビジネスに有効なツールが充実しているといえます。
コアなユーザーの利用頻度の高い mixi
2004年にサービスを開始後、急速に成長し、国内SNSの代表格であったmixiですが、FacebookやTwitterの台頭により、現在ではやや存在感の薄れた感があります。
また当初は招待制によってユーザーと登録が制限されていましたが、これも現在では撤廃されています。
しかし、一定数のユーザーは依然存在し、一部では高い利用頻度を誇っています。
mixiのビジネス利用
かつては招待制でクローズドSNSとしての性格が強いmixiでしたが、2011年より、「mixiページ」のサービスが開始されています。
mixiページはmixiの外部へも情報発信できるページで、趣味活動などのコミュニケーション空間として利用できるサービスです。
またmixiページは法人でも利用可能なため、プロモーションや販促のためにページを開設する利用方法が考えられます。
中華圏最大級のメッセンジャーアプリ Wechatの特徴
WeChat(微信)は中華圏最大級のメッセンジャーアプリで、単なるアプリ以上のライフスタイルアプリとして中国では社会インフラに近い存在です。
このため、メッセージの送受信をはじめ、商品の購入やタクシーの手配、モバイル決済、マッチングアプリなどの多様な機能を備えています。
また最近では、試験的ではあるものの身分証明書の発行も可能となり、LINEと似たサービスも開始するなど、「生活必需品」としての存在感をさらに高めているSNSです。
Wechatのビジネス利用
Wechatでは決済やECとの連携だけでなく企業のコミュニケーション活動などにも利用することができます。
特に中国企業ではWechat上のグループチャットに招待し宣伝活動を展開するほか、Wechat専用のアプリ配信サービスを利用して自社アプリを配信しサービス提供する企業も少なくありません。
一方、日系企業のWechatの活用は現状さほど多くはありませんが、主にインバウンド関連の企業に利用されています。
利用目的は情報配信が主流で、キャンペーンの案内や新商品の告知、来日時に利用可能なクーポンの配布などです。
中国で絶大な人気を誇る Weiboの特徴
Wechat同様中国で絶大な人気を誇るSNSです。
Wechatどちらかといえば個人間のやりとりに特化したクローズドなツールであるのに対し、Weiboは投稿に140文字の文字数制限があることから中国版Twitterとも呼ばれ、情報拡散の可能性が高いプラットフォームといえます。
そのため、「ミニブログ」の形態でユーザーがそれぞれ情報発信をしているほか、近年ではTwitterにもない様々な機能によって独自の進化を遂げているのも特徴です。
Weiboのビジネス利用
Weiboのビジネス利用の動きはすでに日本でも始まっており、大手企業の間でもマーケティングツールとして活用されています。
これはWeiboがクローズドなコミュニケーションにとどまらず、企業アカウント経由の情報収集や有名人アカウントのフォローも積極的に行っているためで、企業も公式情報を発信しやすくなっています。
そこで、Weiboのビジネス利用を考えた場合には、公式アカウントを取得しWeiboのページ上で新商品の告知や値引き、キャンペーンといったユーザーにとって有益な情報を展開していくのが基本になるといえるでしょう。
若年層の利用が中心の TikTok
TikTokは10代~20代を中心に人気が高まっているSNSです。
音楽に合わせて15秒程度の動画を撮影し加工して投稿するのが特徴で、ハッシュタグなどを付けて共有します。
動画を投稿できるSNSはTikTok以外にもありますが、アプリに搭載された機能のみで動画の撮影や高度な加工を行うことができ、投稿ハードルが低い点でTikTokは他のSNSと差別化されています。
TikTokのビジネス利用
TikTokの平均起動回数は、Twitterの約3倍と1日に何度もアプリが起動される傾向にあるのが特徴です。
そのためユーザーは広告を目にする機会も多く、商品やサービスを一気に拡散させ認知度を高めるのに適しています。
現状TikTokに出稿可能な広告は、起動時に表示される「起動画面広告」、おすすめページに表示される「インフィード広告」、ユーザーが動画を作成するタイアップ広告「#チャレンジ」の3種類があります。
台湾発のライブ配信サービス 17Live
17Live(イチナナライブ)は台湾が発祥のライブ配信サービスです。
サービス内容は動画や画像の投稿・ライブ配信・ライブ中継あるいは投稿動画の視聴となっています。
動画を投稿したり生中継を行うユーザーは17(イチナナ)ライバーと呼ばれ、寄付行為であるギフティング(投げ銭)によって、高額な報酬を得ているケースも少なくありません。
これは主に広告収入によって収益化を図る動画投稿型SNS、YouTuberとは大きく異なる点です。
17Liveのビジネス利用
17ライバーはライブ中継を行うことで直接の収入源としますが、こうしたライブ配信アプリを企業のビジネス利用の点で考えた場合、ライブ中継をしながら商品を販売するライブコマースが考えられます。
現状日本における認知率はあまり高くありませんが、インタラクティブ性があり、静止画よりも商品の特徴を伝えやすいライブコマースは商品を購入するユーザーも一定数存在するため、今後のサービスの普及の方法がビジネスとしての成功のカギといえるでしょう。
SNSのビジネス利用についてのまとめ
- 当初SNSは個人同士の結びつきが主流でしたが、現在では活用の仕方次第で企業のプロモーションの手段としても認知されています。
- 現在SNSは主要なサービスだけでも数多くビジネスではそれぞれ特徴を踏まえて活用を検討する必要があります。