この記事ではサンプリングについて解説します。
宣伝広告やプロモーションの一つとして採用されているのが「サンプリング」です。
サンプリングにも様々な手法があり、その効果や方法には違いがあります。
そこでサンプリングについて目的や様々な手法、メリットやデメリットを紹介していきます。
サンプリングとは
「サンプリング」とは、消費者に向けて無料で商品やサービスを配布し、使用してもらうことで販売や利用を拡大させるマーケティング手法のことです。
商品やサービスを無料で配布する方法は、街頭での配布や小売店などでの配布があります。
配布する商品は、商品のサンプルやサービス名が入っているティッシュやうちわなど様々です。
サンプリングは、出来るだけ商品やサービスに興味があるターゲット層に向けて配布することが大切になります。
無造作に配布しても、興味を引かなければ受け取るだけで使用してもらえず成果につながらないからです。
そのため、サンプリングをする時は、アンケートと組み合わせることや他の商品に添付して使用してもらうという方法がとられることもあります。
また、モニターや無料やサンプルのDMなどを送付して、返信のあった消費者に向けて、無料で商品を配布する方法も多くとられる手法です。
サンプリングも広告戦略の一つですが、一般のマス広告との違いは、実際に商品を「体験」してもらうことができることです。
サンプリングの目的
サンプリングは実際に商品を使用してもらうことによって、商品への認知や特徴を知ってもらい、その商品やサービスの利用に繋げることが目的です。
新商品や新たなコンセプトの商品やサービスなどは、まず多くの消費者に知ってもらうことが大切になります。
方法としてテレビや雑誌などのマス広告も、商品を認知してもらうことや商品イメージを与えるという意味では有効です。
しかし、消費者は新商品や使用したことがない商品に対しては、購買意欲や利用意欲が沸かない場合も多くなります。
また、現在使っている商品を変えたくない、という心理が働いている場合も多いでしょう。
サンプリングはそのような消費者に向けて無料でサンプリング商品を配布し、実際に使用してもらい購買意欲に繋げるプロモーションになります。
新商品や使ったことのない商品などを実際に使用することで、潜在的な顧客を実際の購入や利用に繋げることがサンプリングの目的ということです。
サンプリングの手法
サンプリングの手法は様々あり、それぞれで特徴や方法が違います。
ここでは、各手法の特徴を紹介しそのサンプリング手法を説明します。
街頭サンプリング
サンプリングにおいて多く使われる手法で、駅周辺などの街頭で商品を手渡しするのが街頭サンプリングです。
ターゲット層を絞る時には、場所や時間である程度のターゲットを絞って配布していきます。
例えばビジネスパーソンがターゲットの場合は、通勤時の時間帯に駅からオフィス街までの経路でサンプリングを行う、ということになります。
街頭サンプリングは場所や時間をしっかりと調査して、よりターゲット層に効率よく配ることが出来るかがポイントです。
イベントサンプリング
イベント会場で来場者に対してサンプリングする手法が「イベントサンプリング」です。
イベント会場でブース出展をすることで、ダイレクトに商品を手渡ししたり、ブース内で商品を体験してもらうなど、多くの来場者にサンプリングや体験をしてもらうことが可能です。
また、ブース出展という特性を活かして、一度に複数の商品をサンプリング、体験させることが出来るのもメリットです。
イベントの話題性や人気など、イベントの規模や内容によっては、サンプリングした商品が口コミやSNSで拡散される可能性もあり、その分効果も高い手法です。
注意する点としてイベントの規模や内容によっては、主催者に確認をとっても来場人数に大きな相違が出る可能性も考えられます。
そのため、用意するサンプリングの数量や会場費・人件費などのコスト計算を慎重に考慮する必要があります。
ルートサンプリング
施設や店舗など”ルート”に訪れた顧客に対してサンプリングを配布する手法が「ルートサンプリング」です。
配布するルートを絞ることで、サンプリングしたいターゲットに配布することが可能になる、という利点があります。
例をあげると男性用美容液をサンプリングしたい場合には、「美容に興味のある男性」というのがターゲットです。
その場合、ウェディング施設などでルートサンプリングが効果的です。
結婚を迎える男性は、花嫁さんと同様に写真や動画などを取ることになります。また、式当日にはバージンロードを一人であることや、代表しての挨拶などでより注目を集める機会があるでしょう。
ウェディングでの打ち合わせを通してその事実を知った男性は普段美容に興味がなくても、自然と美に対して意識が高くなっており、サンプリングを行った際にも効果的にアプローチをすることができます。
サンプリングするターゲットの属性をより絞る必要がある時に有効なのが、ルートサンプリングということです。
SNSを使用したサンプリング
サンプリング商品をアンケートやプレゼント企画としてInstagramやFacebook、TwitterなどのSNSで展開する手法もあります。
プロモーションの方法は各SNSの広告を利用する事や、影響力の高いインフルエンサーに紹介してもらう方法などが一般的です。
もちろん企業アカウントを通して公式のプレゼント企画として展開すること可能でしょう。
ユーザーのリツイートやシェアを無料の条件にする事などで情報が拡散しやすく、DMのように送り先を予め確保せずとも、多くの人に情報を届けることが出来ます。
また、インフルエンサーが紹介する手法をとれば、商品イメージが上がることなどポジティブな印象を与えることも可能です。
サンプリングのメリット
サンプリングは、実際に商品を使ってもらうことや、ターゲット以外の幅広い層にもテストマーケティングとして実施できることがメリットです。
消費者が認知している商品であっても、その商品を購入して使用するには何かしらきっかけが必要になります。
なぜなら、現在すでに使用している商品があれば新たに別の商品に変えにくいという心理があったり、使ったことのない商品は実際の良さがわからないため、 購入してみようという動機が薄いためです。
その点、サンプリングで実際に商品を使ってもらうことで、商品の実際の良さがわかり、購入の大きなきっかけをつくることが可能になります。
また、無料で商品をためせるということは、そこまで商品に興味のない人であっても手に取りやすく、試しやすいため、幅広い層に対して実施することがしやすいといえます。
その他のメリットとしては、アンケートに答えることをサンプリングの条件にすることで、消費者の属性や商品に対する意見などの情報を得ることが可能です。
入手した情報を元にマーケティングや広告のプランを再検討したり、商品やサービスの改良・開発に活かすことができることもメリットと言えます。
サンプリングのデメリット
サンプリングは場所や配布方法、ターゲットなどを、適切に計画して実行しなければ成果が出にくいのがデメリットです。
サンプリングの成果が出やすいポイントは、適切に見込み客となる方に渡して試してもらうことになります。
その商品のターゲットから大きく外れている方にサンプルなどが渡っても、使用されず成果に繋がらないということです。
またサンプリングの手法によってコストのかかり方に大きな幅があり、費用対効果や目的を考慮し、適切な手法をとる必要があります。
コストにはサンプリングの商品そのものや配布する人件費、会場費などがあるので事前にしっかりとプランを立てることが大切です。
サンプリングのまとめ
- サンプリングとは、消費者に向けて無料で商品やサービスを提供し、実際に使用してもらうことで認知の獲得や購入のきっかけづくりを行うマーケティング手法のことです
- サンプリングは実際に商品を使用してもらうことによって良さを知ってもらい、その商品やサービスの利用に繋げることが主な目的です。
- サンプリングは「街頭サンプリング」「イベントサンプリング」「ルートサンプリング」「SNSを使ったサンプリング」といった様々な手法があります。
- サンプリングは、ターゲットを限定して商品の訴求を行えることや、消費者が興味のない商品の訴求を行えるのがメリットです。
- サンプリングはターゲットや配る時間・場所の選定を間違うと効果が出ないというデメリットがあります。