アンケートモニターとは?その種類とメリット&デメリットまで

アンケートモニターとは

この記事では市場調査のアンケートモニターについて解説します。

自社の製品やサービスの評判を知るために、社員にアンケートを行っても客観的な意見は得ることは難しいですよね。そんなときには専門の調査会社に依頼してアンケートモニター調査を行い、第三者の意見を効率よく得ることがおすすめです。

ここではアンケートモニターのメリットとデメリット、モニターの種類などについて詳細に解説します。どうぞ最後までお読みください。

目次

アンケートモニターとは

アンケートモニターとは、市場調査会社と契約して継続的にアンケート調査に参加する人、またはそのような人を対象にアンケート調査を行うことをいいます。

現代のマーケティングにおいて市場調査は非常に有効ですが、一般企業みずから市場調査に乗り出すことは基本的に多くありません。ほとんどの場合、市場調査やマーケティングリサーチ専門の調査会社に依頼します。

市場調査会社はアンケートモニターを常時募集しており、大手では500万人以上を保有している場合も珍しくありません。

調査会社は依頼の内容によって最適な調査方法を立案し、自社に登録しているアンケートモニターから条件に見合った属性の対象者を抽出。インターネットを利用したWeb調査によってアンケートを実施します。

このようなアンケートモニターの集合体を「アンケートリサーチパネル」や「モニターパネル」、または単に「パネル」などと呼んでいます。

ちなみに「パネル(panel)」とは英語で「板」の意味ですが、この場合の「パネル」は「登録名簿」という意味です。

アンケートモニターのメリット

アンケートモニターを利用した市場調査には、以下のようなメリットがあります。

1.調査に最適な回答者の選定から回答の集計までを短時間で行うことができる

通常、企業がみずからアンケート調査を行うとなると、従業員の身内などに依頼することになりますが、それでは客観的な意見は得ることは難しいですよね。

自社の製品やサービスに初めて触れた消費者はどのように感じるのか、あるいは市場における自社製品の認知度はどれくらいか、それらを知るには不特定多数の第三者から客観的な回答を得る必要があります。

アンケートモニターなら、多くの第三者の意見を集めることができます。しかも調査会社のモニターパネルはアンケートに答えるのが仕事。手順に慣れているので回答が早いのも特徴です。

2.市場調査に適した条件を持つ対象者を容易に選択できる

市場調査で対象者の条件を絞ることを「スクリーニング」といいます。たとえばある製品の評価を得るために利用者をスクリーニングする場合、一般の調査で有効な数の回答者を得るのは簡単なことではありません。

そこでアンケートモニターを利用すれば、登録情報や事前の調査によって最適のパネルを容易に選択することができます。

3.アンケートの回答率が高い

モニターパネルはアンケート調査に参加するために調査会社と契約しています。アンケートに慣れているので回答が早く、回答率も非常に高いのが特徴です。

4.調査の客観性が維持できる

市場調査の依頼主はアンケートモニターの調査に介入できません。モニターの個人情報も非公開なので、調査の客観性が損なわれることはありません。

5.覆面調査や長期モニターを採用しやすい

モニターパネルはインターネットでアンケート調査に参加するのが基本です。そのため依頼主を隠した覆面調査や、試供品のモニター調査、特定の製品を長期間利用して使用感などを継続的に報告する長期モニターなどを採用しやすいメリットがあります。

アンケートモニターのデメリット

アンケートモニターはインターネット時代ならではの合理的な調査手法ですが、以下のようなデメリットがあることも認識した方がよいでしょう。

1.調査対象者がインターネットユーザーに限定される

アンケートモニターは、WebサイトやSNSを通じて調査会社が募集するのが一般的です。したがってインターネットの利用率が低い世代を対象とした調査では、有効な回答を集めることが困難になります。

2.富裕層や多忙なビジネスパーソンが少ない

モニターパネルへの報酬はポイント制が基本です。回答に要する時間は5~15分程度で、回答者としては暇な時間にスマホやパソコンでおこづかい稼ぎができるのが魅力です。

逆に言えば、富裕層や多忙なビジネスパーソンがモニターパネルに登録することは多くありません。また高校生以下の人はアンケートモニターに登録できないので、若年層の調査もできません。

このように母集団から抽出できる対象者が少ない場合、調査結果が対象となる属性の意見を偏りなく反映できているかどうかという問題が生じてきます。

アンケートモニターの種類

アンケートモニターの調査には様々な種類があります。以下におもな具体例を紹介します。

WEBアンケートモニター

WEBアンケートモニターとは、パソコンやスマートフォンでインターネットを通じてアンケートを行う市場調査のこと。調査会社に登録したモニターパネルの中から調査内容に適した人をスクリーニングしてアンケートを配信。回答を回収して分析します。

商品モニター

商品モニターは、調査対象のモニターパネルに試作品や販売中の商品のサンプルを送り、一定期間の試用や試食をした感想や要望をアンケートやレポート形式で収集する調査です。開発中の試作品などでは、情報の外部流出や転売などを避けるために守秘義務契約を交わす場合があります。

グループインタビューなどのインタビュー関連

「グループインタビュー」とは、座談会形式のモニター調査のこと。予備調査で選別した5~6人のモニターパネルを会場に集めて、司会者がインタビューする形で調査を行います。

グループインタビューは対象者の生の声を直接聞くことが重視されるため、場合によっては依頼した企業の担当者が同席して質疑応答に加わることもあります。

また個人的なニーズや要望を掘り下げたい場合はグループ形式ではなく、1対1のデプスインタビューを行います。この場合も予備調査で選出した対象者を会場に呼び、面接形式でインタビューを行うのが一般的です。

郵送・電話調査など

調査の対象者がインターネット環境にない場合は、郵送や電話で回答を依頼します。インターネットを利用してモニターパネルと直接やりとりしたい場合は、スカイプなどを利用したテレビ電話調査も行われます。

アンケートモニターを行う際の注意点

インターネットの普及とともに、アンケートモニターを行うWeb調査会社が増加しています。Web調査を初めて行う場合はどの会社に依頼すればいいか迷ってしまうかもしれません。

スクリーニングの条件にもよりますが、調査会社を選ぶ際は各社が公開しているモニターパネルの登録者数と属性の内訳をチェックしましょう。

Web調査はモニターパネルの適性が重要な選択ポイントになります。調査会社の登録者数は多ければ多いほど良いことは言うまでもありませんが、実は各社の公表データは自己申告が基本です。正確な人数はわかりません。

また調査会社のデータに偽りがないとしても、モニターパネルが報酬目当てに複数のアカウントで登録しているケースもないとは言えません。市場調査を依頼するときはモニターの属性を確認することをおすすめします。

具体的には登録パネルの性別と年齢別の人数構成、および居住地の比率などを確認しましょう。会社によっては依頼者側でスクリーニングの項目を細かく設定できる場合もあります。

会社によってはモニターパネルの属性を非公開としている場合もあります。そのような会社は避けるのが無難ですが、他に適当な会社がなければ、担当者に連絡して属性の内訳を資料として提示してもらうとよいでしょう。

調査会社が公表するモニター数に「アクティブモニター(すぐに対応可能なモニターの実数)」の表記があれば、信頼性は高いと言えます。

料金を事前に知りたい場合は調査会社の担当者に直接問い合わせるか、Webサイトのオンライン見積作成ツールを利用しましょう。調査条件を入力すれば、概算の金額を簡単に知ることができます。

まとめ

・アンケートモニターとは、市場調査会社の会員としてアンケート調査に協力する人のこと、およびそれらの人にアンケート調査を行うことをいいます。

・アンケートモニターには市場調査の対象者選びとアンケート回答が迅速にできるメリットがあります。

・アンケートモニターにはWeb調査以外に面接調査や電話アンケートなども行われます。

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