この記事ではIT採用について解説します。
人々の生活に密接に関係するようになったITは、技術進歩によりさらにその密接度が増しています。
そのような状況でIT市場の規模が成長する中、企業にとってIT人材の確保は重要な課題と言えます。
ここでは、IT人材の採用についてのポイントと面接時のポイントを紹介していきます。
IT業界の求人が苦戦する理由
どの業種にも関りがあるIT業界の市場は広く、多岐にわたります。
また、BtoBとBtoCにも分類されますが、どちらも人々の生活にも関わる分野のため、今後さらに重要となる業界になるでしょう。
しかし、そんな需要とは裏腹に、理想的なIT人材を確保するのは簡単とは言えません。その2つの理由を見ていきましょう。
市場の成長
今やIT業界は、IT関係の企業だけでなく様々な業種に関りのある業界です。
また、BtoBとBtoC、どちらにおいても重要な役割を占めています。
2017年におけるIT業界の売上高は、約24兆円になっており、他の基幹産業と比べても同じかそれ以上の市場規模です。
1990年代から急速に市場を拡大してきたIT業界の今後は、「5G」の普及や「AI」の技術進歩などが人々の生活に影響を及ぼし、さらなるイノベーションと共に市場規模を拡大する予想がなされています。
以上のことから、多くの企業において優秀なIT人材を確保することが急務の課題となっています。
参照:
一般社団法人 情報サービス産業協会”情報サービス産業の規模”
https://www.jisa.or.jp/explain/tabid/755/Default.aspx
人手不足の深刻化
前述した通り、ITの市場拡大に伴いさらなる人材が必要です。
しかし、人口減少が進むことによる労働人口の減少の影響で、IT人材の不足が深刻化することが懸念されています。
また、技術進歩の速さもあり、現在働いている人材が新しい技術に対応できなくなるなどの問題がおきています。
これらの問題を解消するためには、新しい人材の確保と同時に、現在働いているIT人材のスキルアップが重要課題です。
企業はそのための環境を常に整備する必要があり、必要な情報や新しい考えを常に取り入れることが、大切となっています。
理想的なIT人材を採用するためのポイント
そのような状況の中だからと言って闇雲に採用を進めても、理想的な人材が見つかるとは限りません。
社内において、どのようなスキルや経験を持っている人材を求めているのか、その人材を活かして何を達成したいのか、ターゲットや目的を事前に明確にしておくことが重要です。
ここでは理想的なIT人材を採用するためのポイントをそれぞれ解説します。
他の職種の求人原稿と分ける
労働人口の減少が進む中で、IT人材の求人はさらに激戦区と言えます。
さらにITという分野における知識や能力の高さ、常に技術進歩のスピードに対応できる能力を持つ人材は貴重な存在です。
その中で優秀なIT人材を確保するためには、他の職種の求人原稿と分けることがポイントです。
どんな最新技術に触れられるか、または研修制度の詳細、資格を取得するための支援制度の有無など、どうスキルアップしていけるかなどの記載も重要なチェックポイントになります。
また、現職の給与面や残業の多さなどに不満を持っている場合も少なくないため、これらのポイントをわかりやすく明記することも優秀なIT人材を確保するためには大切です。
社内のIT人材に意見を求める
求人内容や人材の選定を、社内のIT人材に意見を求めることは理想的なIT人材の採用につながります。
前述した通りIT業界は変化のスピードが速く、情報の取得や対応力なども重要です。他の職種とは違う考え方や人間性が求められる分野になるので、社内のIT人材の意見を聞くことは、求職者とのズレを無くすための良い手段になり得ます。
もし可能であれば人材の選定にも加わってもらうなど、社内のIT人材の意見を出来るだけ反映させることも理想的なIT人材を採用するためのポイントと言えるでしょう。
ITに強い求人媒体を選定する
IT人材の求人原稿を他の職種の求人原稿と分けることは前述しましたが、求人媒体もITに強い求人媒体を選定することも重要です。
ITに強みを持つ人材は、自分のスキルを高く評価してもらうため、IT人材に特化した求人媒体をチェックする傾向があります。
IT人材を求める多くの企業が、ITに強い求人媒体に求人原稿を出稿しているので、そこに求人を載せることは必須と言えます。
最近は転職など中途採用における、人材の流動も活発化しているので、併せてそれらに強みを持つ求人媒体を選定することが効果的です。
面接する際のポイント
優秀なIT人材を採用するためには、IT分野の業務における特性を理解した採用が必要です。
ここでは、面接する際のポイントを項目別に紹介します。
面接に同じ職種の社員に同席してもらう
面接は通常人事部が行い、選定にも決定権を持つことが一般的ですが、IT人材の面接においては同じ職種の社員に同席してもらうと良いでしょう。
専門的な職種でもあるため、同じ職種の社員の方がスキルや仕事への姿勢などを正しく判断できる可能性が高いからです。
また、そのスキルを判断するにも、採用側にITの知識がなければなりません。人事部がITに強い場合が別ですが、そうでなければ同じ職種の社員にスキルをチェックしてもらうのが良いでしょう。
どうしても同じ職種の社員が同席不可能な場合には、面接時の質問や抑えておくべきポイントを予め作成し、それに沿った面接の進行と人材の選定が必要です。
コミュニケーション能力もみる
IT採用では、そのスキルと経験だけに着目してしまいがちですが、採用にはコミュニケーション能力もみることが大切になります。
ITに関する業務は、特に変化のスピードが早く、トライアンドエラーを繰り返すことが多くなる業務になります。これまで経験のない新しいテクノロジーや得意としない分野もあり、一人では解決できない場面にも遭遇します。その時には、チームやプロジェクトなど組織で解決していかなければならず、コミュニケーション能力は重要な要素になってきます。
またITは人々の生活に密接に関わる分野でもあり、コミュニケーションのテクノロジーと言えます。企業にとって必要なIT人材は、知識や実績、スキルだけではなく、コミュニケーション能力も持ち合わせた人材が優秀なIT人材と言えるでしょう。
コーディングテストなどを実施する
対面による面接の質疑応答も重要なポイントですが、実際の知識や現場でどの程度の能力を発揮できるかを把握することも大切です。
特にエンジニア系など開発に関わる業務の面接には、コーディングテストなどを併せて実施して、採用の選定材料にすることも必要になります。
面接だけでは、実際のスキルを見極めるのは難しいですが、コーディングテストであれば得意・不得意を見極めることが可能です。
実際にコーディングテストを行う際には、同じ職種の社員に協力してもらい、どんなテストが最適かを相談することも重要です。
まとめ
・IT業界の市場規模は、様々な技術進歩により、さらなる市場規模の拡大が見込まれています。
・IT人材は今後さらに求められますが、労働人口の減少などにより、IT人材不足が懸念されています。
・理想的なIT人材を採用するためには「他の職種の求人原稿と分ける」「社内のIT人材に意見を求める」「ITに強い求人媒体を選定」などがポイントです。
・IT人材の面接は「面接に同じ職種の社員に同席してもらう」「コミュニケーション能力もみる」「コーディングテストなどを実施する」などがポイントです。