デジタルサイネージの特徴と活用事例、導入のメリットを解説

デジタルサイネージの特徴

昨今の技術革新により、従来紙媒体が当たり前だったさまざまなものがデジタルで表現できるようになってきています。そのひとつがデジタルサイネージです。

この記事では利用の拡大が著しいデジタルサイネージについて概要や市場規模、種類、メリット・デメリットとともに実際の事例もご紹介します。

目次

デジタルサイネージとは

デジタルサイネージはディスプレイやタブレット端末といった電子媒体を看板や掲示板として利用し、情報発信するシステムの総称です。

現在、屋外や店頭、公共スペースなどのほか、社内掲示板などへも用途は広がり、新たな情報伝達の手段として注目を集めています。従来の看板や掲示板と大きく異なるのは、デジタルコンテンツを配信でき自由度が高いことです。

動画はもちろん、表示言語を選択することや、利用者がタッチパネルで操作して目的の情報を入手することもできます。

さらに、ネットワークで接続された端末であれば、リアルタイムで情報を配信でき、単なる看板や掲示板としての用途以上の利用が可能です。

デジタルサイネージ広告効果と市場規模

限られた情報や商材しかアピールすることのできない従来のポスターや看板とは異なり、随時表示を切り替えることで高い広告効果を持つのがデジタルサイネージです。

周囲の景観と調和できるほか、映像による動きのある販促活動も可能です。

デジタルサイネージによってもたらされるのは、周囲の通行者の目線を惹きつけるダイナミックな訴求力と、販促活動における認知効率の最大化です。

また限られたスペースでも表示を切り替えることにより豊富な情報を提供することができるため、実質的な広告枠の増加も実現しています。

こうした広告効果により、デジタルサイネージの市場規模は拡大を続けています。

インターネット広告会社のCCI(サイバー・コミュニケーションズ)と企業市場調査会社のデジタルインファクトの共同調査によれば、日本国内の2019年のデジタルサイネージ広告の市場規模は、前年比113%増の749億円に達する規模です。さらに今後2023年には2019年比の1.7倍となる1,248億円にまで拡大すると予測されています。

参考: CCI、デジタルサイネージ広告市場調査を実施

デジタルサイネージの種類

デジタルサイネージは技術的な要素によりいくつかの種類にわかれます。

主な種類と特徴は次のとおりです。

スタンドアローン型

スタンドアローン型は機器として独立しているデジタルサイネージ端末です。

コンテンツはUSBメモリやSDカードなどの媒体からデータを本体に読み込み再生します。

ネットワーク接続に関するコストがかからないことから、比較的小さな規模でデジタルサイネージを展開するのに適しています。

端末によってはタイマー再生やスケジュール再生に対応しているほか、高度な番組編成も可能です。

ただし、コンテンツの更新には端末ごとに媒体の更新が必要なため、複数の端末を利用した大規模展開の広告や、イベントの告知など即時性の求められる広告には不向きといえます。

ネットワーク(クラウド)型

ネットワーク型はインターネット経由でデータを読み込んで、コンテンツを再生します。

即時性が高くいったんシステムを構築すれば運用時の現場スタッフへの負担も少なく、数百台以上の大規模なデジタルサイネージでも一括で配信管理をし、コンテンツを更新することが可能です。

一方で、小規模の展開ではコストがかさみ、効果が得にくいという欠点があります。

インタラクティブ型

利用者と情報提供者間で双方向のコミュニケーションが可能なのがインタラクティブ型です。

端末はタッチパネルが主流で、利用者が選択したコンテンツを提供します。

またコンテンツの更新方法はネットワーク型同様、複数台のシステムであればネットワーク経由で行われます。

インタラクティブ型は広告に限らず利用者ごとに個別の情報を提供したり、検索することによって絞り込まれた情報を提供したりする場合に適しています。しかし、タッチパネルに対応した端末が必要で、コストは高めです。

デジタルサイネージのメリット

デジタルサイネージの市場が拡大しているのは、背景に導入に見合う多くのメリットがあるからです。

具体的には主に次のような点があげられます。

視認性が高い

広告に求められるのは人目を惹きつけることにより宣伝効果を上げ、集客に結び付けることです。

この点でデジタルサイネージはディスプレイを使用していることから視認性が高く、従来の広告や看板よりも人の目に止まりやすい特徴があります。

また、静止画だけでなく動画や音声によって宣伝効果を上げることも可能です。

ユーザーに合わせた情報提供ができる

ネットワーク型のデジタルサイネージなら場所や時間、ターゲットによって表示内容を変えられるため、訴求対象に合わせた理想的な情報や広告を表示できます。

また、駅構内や病院などであれば情報案内板としても利用することができ、利用範囲は広告だけに限定されません。

たくさんの情報を提供できる

デジタルサイネージは従来の看板や掲示板とは異なり、比較的長い時間利用者をその場に留めることができます。

従来のポスターや看板を利用者がみる時間は1秒にも満たないのが当たり前でした。

しかしデジタルサイネージなら動画や音声なども駆使し、利用者をより長くその場に留め、より多くの情報を伝達することができます。

デジタルサイネージのデメリット

デジタルサイネージは単なる広告にとどまらない情報発信を実現しますが、メリットだけではありません。

導入や運用の際にはデメリットも考慮しながら検討する必要があります。

広告の域を脱していない

デジタルサイネージはさまざまな試みがなされ、市場からの期待が高まる一方で、他のデジタル媒体同様利用方法が模索されてる途上でもあります。

このため情報過多の現代において、現段階では単なる広告の域を脱しているとはいい切れません。利用の幅は広がっているのは事実ですが、街中にあるというデジタルサイネージならではの特徴は十分に活かしきれていないのが現状です。

そこで、今後はその場にあるという利点を生かし、例えば必要な情報の入口として、デジタルサイネージで大まかなその場の情報を提示し、詳細はスマートフォンで確認するといったような一歩踏み込んだ利用方法を模索しなければなりません。

利用目的が曖昧

従来の紙媒体よりも利用範囲の幅広い反面、デジタルサイネージは、目的が曖昧になることがあります。また、配置や台数だけを決め、明確な目的をイメージせずにデジタルサイネージを導入したことにより、運用のノウハウが培われないことも少なくありません。

実際にデジタルサイネージを導入した施設でも、十分に活用されずオープン時からずっと同じコンテンツが流れているケースが見受けられます。

共通の情報を配信できないケースがある

多店舗展開している企業がデジタルサイネージを導入する場合、各店舗の売上や利用者数はそれぞれ違いがあることが考えられます。こうした場合、どの店舗でも同じ広告を展開するというわけにはいきません。するとその時点でネットワーク型に代表される、デジタルサイネージの一括管理やコンテンツの更新といった優位性は発揮することはできなくなってしまいます。

むしろ特定の店舗で売り切れた商品の広告を他店舗と同じように配信してしまうようなケースでは、クレームにつながることも考えられます。

こうした点を踏まえると、一括で配信管理や更新が可能なデジタルサイネージだからこそ留意すべきポイントがあるということを意識する必要があります。

デジタルサイネージの事例

課題はありつつも、メリットも多いデジタルサイネージはすでにその特長を活かして各方面で利用が広がっています。

利用方法としては、アナログ媒体では難しかったクリエイティブでアート感覚も取り入れられたものも多く、実際の事例には次のようなものがあります。

デジタルサイネージを連動させたマジョリカ マジョルカの立体広告

資生堂のセルフメーキャップブランド「マジョリカ マジョルカ」では、東京メトロ新宿駅構内にデジタルサイネージを展開しました。

コンテンツは9本の柱に合計35面の異なる映像を映し出し、すべてが連動しひとつの作品となっているものです。

実際にはトリックアートのような立体的にみえる錯視を応用しショーケースを模したサイネージの中を同ブランドのアイテムが浮遊するというこれまでにない斬新な手法が取り入れられています。

また、ブランドを象徴する「マジョリカバード」が落とした手紙のQRコードから、特設サイトにアクセスすると占いができるという集客に繫がる試みもなされていました。
参考: Majolica Museum

競馬場を再現したJRAのデジタルサイネージ

日本中央競馬会(JRA)では、世界の競走馬が集まる「ジャパンカップ」の広告活動の一環として、デジタルサイネージを採用しました。

「ステーションケイバ」と銘打ち新宿駅西口と東口を結ぶ「メトロサブナード」に設置されたデジタルサイネージは全長14m、高さ2mという巨大なもので、床には人工芝も敷かれ、競馬場をイメージした迫力ある映像により競馬場の雰囲気を再現。

斬新なアイデアはメディアやSNSで話題となり、ジャパンカップの入場者数の大幅なアップを実現させました。
参考:ステーションケイバ サイネージ

デジタルサイネージを利用したサプライズ企画

サントリーコミュニケーションズ株式会社は“働く人の相棒コーヒー”「BOSS」の発売25周年を記念して、「働くって、いいもんだ。」をコンセプトにさまざまなコラボレーション企画を展開。

東京メトロとコラボレーションしたサプライズ企画では東京メトロの主要駅に設置されているデジタルサイネージが利用され、定年退職を迎える駅長へ同僚からのメッセージ動画が流されました。

動画は「第56回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール」のデジタル部門でグランプリを受賞し、テレビやネットのニュースにも取り上げられるなど、デジタルサイネージを利用した企画のなかでも、反響大きかったもののひとつといえます。
参考:働くって、いいもんだ。THE LAST TRAIN

デジタルサイネージについてのまとめ

  • デジタルサイネージは電子媒体を看板や掲示板として利用し、情報発信するシステムの総称です。
  • デジタルサイネージは随時表示を切り替えることなどから広告効果が高く、今後さらに市場規模が拡大すると予測されています。
  • デジタルサイネージにはスタンドアローン型、ネットワーク型、インタラクティブ型などの種類があります。
  • デジタルサイネージのメリットとしては視認性が高いこと、ユーザーに合わせた情報提供ができること、たくさんの情報を提供できることなどがあります。
  • デメリットは初期費用やランニングコストがかかること、設置場所に制約があること、故障のリスクがあるなどです。
  • デジタルサイネージにはすでにさまざまな活用事例があります。
  • デジタルサイネージの活用するメリット・デメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説されています。
    あわせて参考にしてください。(参考:デジタルサイネージとは? 活用するメリット・デメリットや活用例などを紹介!  | 株式会社パラダイムシフト」

 

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この記事を書いた人

美大卒業後、広告制作会社を経て、大手出版社で週刊誌&月刊誌の編集を担当。その後、女性系Webメディアの立ち上げ、キュレーションアプリの運営に携わる。2023年よりベクトルグループのパフォーマンステクノロジーズ社に参画。

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