ビジネスメディアのミツカル記事カテゴリ:セールステック販売促進とは やり方と種類の解説
#セールステック
ここでは「販売促進」について解説いたします。
一般の企業は消費者に商品やサービスを提供し、その対価として利益を得ることを事業の目的にしています。
しかしながら、単に良い商品やサービスを安く提供するだけでは、なかなか利益に結びつかないのも事実。商品の質やコスパの追求はもちろん大切ですが、利益を堅実に伸ばすには適切な販売促進が必要です。
そこで、ここでは「販売促進とはなにか」という基本な問題から、その具体的な方法まで幅広く解説していきます。
販売促進とは、商品やサービスの販売を増やして利益率を向上させるために、消費者の購買意欲を促進する手法のこと。ビジネスシーンでは「販促」と略すのが一般的です。
たとえばテレビでCMを放送することも販売促進のひとつ。
CMによって商品やサービスの魅力を伝え、消費者の購買意欲を刺激します。
CMには商品だけでなく企業の知名度やイメージアップにもつながるという二重三重のメリットがあります。
時期によって売り上げが変動する商品では、顧客が減る時期にセール品や割引クーポンで「お得感」を演出することも効果的な販売促進策といえるでしょう。
ほかにも看板やポスター、DM(ダイレクトメール)や街頭でのチラシ配り、ポスティングなど、低予算で実施できる販売促進の手法も数多くあります。
また商品の保証期間の延長やアフターサービスの拡充はコストの増大につながるとされていましたが、商品の付加価値を高めて売り上げアップにつながる効果も期待できることから、近年では重要な販売促進活動のひとつと考えられています。
「販売促進」と混同しやすいのが「マーケティング」です。
最近は情報発信と流通手段の多様化によって「販売促進」と「マーケティング」の境界線が曖昧になってきています。両者には本来、どのような違いがあるのでしょうか。
経営学者のフィリップ・コトラーとケビン・レーン・ケラーの共著「マーケティング・マネジメント」では、「マーケティング」と「販売」の違いについて次のように定義しています。
「販売」は売り手が利益を得るために力を尽くすことであり、「マーケティング」は顧客が満足できる商品を提供するために力を尽くすことである。
この定義に従えば、「販売促進」とは「企業が利益を得るために自社の商品やサービスに対する購買意欲を高めて売り上げを伸ばす活動」ということができます。
一方、「マーケティング」とは「企業が利益を得るために、顧客満足度の高い商品やサービスを提供する販売戦略」といえるでしょう。
経営学者のピーター・ドラッカーもまた、多くの著書で以下のように述べています。
「真のマーケティングとは『企業が何をどう売りたいか』ではなく、『顧客は何を求めているか』を考えること。顧客が本気で買いたくなるものを販売すれば自動的に売れる。マーケティングの理想は『販売促進』を不要にすることだ」。
もちろん「マーケティング」も企業の営利活動のひとつ。
その意味では「販売促進」もマーケティングに含まれる活動と見ることができます。ドラッカーも「販売促進」は邪道だと説いているわけではありません。
彼が言いたいのは、「マーケティングの理想とは、顧客のニーズに応えること。自社の製品やサービスに購買意欲を高めるような付加価値をもたらすこと。
それができれば販売促進はおのずと不要になる」ということなのです。
前述のようにドラッカーは「販売促進を不要にすること」が理想だと述べています。しかしながら現実には、商品やサービスが自動的に売れることはまずありません。
あったとしても、ヒット商品には必ずと言っていいほど類似品や模倣品がつきまといます。
いま売れているからといって販売促進の手を抜けば、自社製品の魅力や特徴が消費者に伝わらず、後発の模倣品の山に埋没してしまうかもしれません。
ブームが去って利益が落ちはじめたときには手遅れになり、何をしても業績の下落に歯止めがきかなくなるでしょう。
長引く不況や将来に対する不安によって消費者の財布のひもはますます堅くなっています。良い商品を作れば自動的に売れる時代ではありません。多くの企業が利益を高めるために販売促進の施策に注力している理由もそこにあります。
前述のように販売促進の目的は、消費者に「この商品が欲しい」「このサービスを受けたい」と思わせること。
具体的な手法は商品の種類や販売する場所によっても違ってきます。
スーパーマーケットやコンビニ、書店などの売り場では、同じ棚に競合商品も並列して販売されるのが特徴です。
その中で売れ筋商品をどう差別化し、購入の動機に結びつけるかが、販売促進の重要なポイントになります。
一口に「メディア」といっても、テレビやラジオ、新聞、雑誌といったマスメディアからフリーペーパーやチラシ広告に至るまで、種類は多岐にわたります。
メディアを販売促進に活用する場合は費用対効果をじゅうぶんに検討し、商品の特性や顧客のターゲットに応じて効果的な手段を選ぶことが大切です。
自社の商品やサービスの販売促進策にはさまざまな手法がありますが、販促イベントの開催もそのひとつ。
たとえば、新車の試乗会やマンションのショールーム見学会などは皆さんもおなじみでしょう。
販促イベントを開催するには、集客効果を高める工夫とノウハウが必要です。
最近では集客のために大型マンションの管理組合や町内会など地域のコミュニティと協賛して合同イベントを開催する例も増えています。
インターネットを利用した販売促進策では、企業や店舗の「ホームページ」が代表的ですが、ほかにもさまざまな種類や手法が選択可能です。
特に近年ではインターネットの広告市場が飛躍的に拡大しており、2020年度には2兆円を超えるまでに成長しています。
代表的なインターネット広告としては、バナーやテキスト広告などの純広告、検索連動型のリスティング広告、複数のサイトに広告を掲載するアドネットワーク、成果報酬型のアフィリエイト広告などがあります。
ひとくちに「販売促進」といっても手段や方法は多種多様。それぞれにメリット・デメリットがあるので、用途に応じて最適なプランを選択し、投資に見合った効果を引き出すことが重要です。
たとえばメディアを販売促進に活用する場合、テレビ放送や全国紙で広告を流すには多額の費用を要しますが、商品と企業の知名度を飛躍的に高める効果があります。
雑誌など印刷媒体の広告では、商品のジャンルに合った専門誌を選べば、ターゲットとする消費者層にピンポイント的なアプローチが可能です。
またフリーペーパーや地元のタウン誌などは美容院や銀行、公共施設の待合室などに置かれることも多く、記事や広告が不特定多数の人に読まれるメリットがあります。
大手書店の売り場では、売れ筋の本に手書きのPOPをつけて本の魅力をアピールしたり、本をオブジェのように美しく積み上げたりして、消費者の目につきやすい工夫をしています。
手書きのPOPは手軽な反面、アナログな印象もありますが、逆に情報化社会の今だからこそ、手書きのぬくもりが新鮮に感じられる、ともいえるでしょう。ユニークなPOPが注目を集めてベストセラーになった事例もあります。
インターネットを利用した販売促進策としては、最近は企業のホームページとは別に、主力商品の情報発信に特化した特設サイトや、期間限定のキャンペーンサイトを新設する例も増えています。
専用サイトで新商品や新サービスの特徴や使用法、開発裏話やキャンペーンの内容などをくわしく紹介すれば、新商品に関心を持つ顧客に対する効率的なアプローチが可能です。
近年では、スマートフォン向けの広告が市場を牽引しており、すでに売り上げの8割に達しているとも言われています。
これからはPC向けサイトだけでなくスマートフォン向けのアプリや広告を重視する企業がますます増えることでしょう。
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