「顧客満足度調査やイベント後のアンケート、毎回Googleフォームを使っているけど、デザインが物足りないし集計も大変…」
「もっと効率的で、見栄えの良いアンケートを作れるツールはないだろうか?」
中小企業でマーケティングを担当されているあなたは、そんなお悩みをお持ちではないでしょうか。限られた予算と時間の中で、顧客や社員の声を正確に把握し、次のアクションに繋げることは非常に重要です。
アンケート作成ツールは数多く存在し、「結局どれが自社に合っているのかわからない」と感じるのも無理はありません。
ご安心ください。この記事では、数あるアンケート作成ツールの中から、無料・有料のおすすめツールを目的別に厳選し、徹底比較します。さらに、ツール選びで失敗しないためのポイントから、回答率を劇的に上げるアンケート作成のコツまで、網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたの目的と予算にぴったりのツールが必ず見つかり、アンケート業務が劇的に効率化するでしょう。
おすすめアンケート作成ツール比較一覧表
まずは、この記事で紹介するおすすめのアンケート作成ツール11選の比較一覧表をご覧ください。各ツールの特徴を大まかに把握し、自社の目的に合いそうなツールを見つける参考にしてください。
ツール名 | 無料プラン | 料金(有料プラン/月額) | 得意な用途 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
【無料】 | ||||
Googleフォーム | あり | 無料 | 社内アンケート、簡単なイベント登録 | Googleアカウントがあれば誰でも利用可能。スプレッドシート連携が強力。 |
Microsoft Forms | あり | 無料(※) | 社内アンケート、教育機関 | Office 365との連携がスムーズ。Excelへの出力が簡単。 |
Questant | あり | 1,980円~ | 小規模調査、アンケート初心者 | テンプレートが豊富で直感的な操作が可能。マクロミル社が提供。 |
SurveyMonkey | あり | 5,500円~ | 小規模調査のお試し | 世界最大級ツールの基本機能を無料で試せる。テンプレートが豊富。 |
【有料】 | ||||
SurveyMonkey | – | 5,500円~ | 顧客満足度調査、市場調査 | 高度な分析機能(クロス集計など)が充実。多言語対応。 |
formrun | あり | 12,980円~ | Webサイトからの問い合わせ、リード獲得 | フォーム作成から顧客管理まで一元化。EFO機能が強力。 |
CREATIVE SURVEY | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ブランディング、顧客向けアンケート | デザイン性が非常に高く、ブランドイメージに合わせた作成が可能。 |
WEBCAS formulator | 要問い合わせ | 30,000円~ | 大規模調査、セキュリティ重視の調査 | 高いセキュリティ要件に対応。自由なカスタマイズが可能。 |
【目的別】 | ||||
HRBrain | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 従業員エンゲージメント向上 | 組織分析、eNPS、360度評価など社内調査に特化。 |
Geppo | あり | 20,000円~ | 従業員のコンディション把握 | パルスサーベイで従業員の状況を定期的に把握し、離職防止に貢献。 |
Zoho Survey | あり | 890円~ | 顧客管理との連携 | Zoho CRMとの連携が強力。低価格で多機能、多言語対応も魅力。 |
※Microsoft 365のライセンスに含まれます。
アンケート作成ツール選びで失敗しない5つのポイント

数あるツールの中から最適なものを選ぶには、明確な判断軸を持つことが重要です。ここでは、ツール選びで失敗しないための5つのポイントを解説します。
1. アンケートの「目的」を明確にする
最も重要なのが、アンケートを実施する目的をはっきりさせることです。目的によって、必要な機能や適切なツールは大きく異なります。「顧客満足度を測りたい」「新商品のニーズを調査したい」「社内イベントの出欠を確認したい」など、目的を具体的にしましょう。
例えば、顧客満足度調査であれば、NPS(ネット・プロモーター・スコア)計測機能や高度な分析機能があるツールが適しています。一方、社内の簡単な情報収集であれば、無料ツールでも十分な場合が多いでしょう。
2. 必要な「機能」が揃っているか確認する
目的が明確になったら、それを達成するために必要な機能がツールに備わっているかを確認します。チェックすべき主な機能は以下の通りです。
- 質問形式の種類: 単一回答、複数回答、自由記述、マトリクス、ランキングなど、聞きたい内容に合わせて柔軟に設定できるか。
- ロジック機能: 回答に応じて次の質問を変える「条件分岐」や「スキップロジック」が使えるか。
- デザインカスタマイズ: 自社のブランドイメージに合わせて、ロゴの挿入や配色の変更ができるか。
- 集計・分析機能: 回答結果を自動でグラフ化したり、クロス集計で深掘り分析したりできるか。
- 外部連携: SlackやCRM、スプレッドシートなど、普段使っているツールと連携できるか。
3. 「無料プラン」と「有料プラン」の違いを理解する
多くのツールには無料プランと有料プランがあります。無料プランは手軽に始められる一方で、機能制限があることがほとんどです。
よくある制限としては、作成できるアンケート数、設定できる質問数、集められる回答数などが挙げられます。また、広告が表示されたり、データをエクスポートできなかったりする場合もあります。まずは無料プランで操作感を試し、本格的に運用する際には、制限内容を確認した上で有料プランへの移行を検討しましょう。
4. 「セキュリティ」と「サポート体制」をチェックする
アンケートでは、顧客や従業員の個人情報を取り扱うことがあります。そのため、ツールのセキュリティ対策は非常に重要です。SSL/TLSによる通信の暗号化や、プライバシーマーク、ISMS認証の取得状況などを確認しましょう。特に、大規模な調査や機密情報を扱う場合は、セキュリティ要件を厳しくチェックする必要があります。
また、操作で困ったときに頼りになるサポート体制も重要です。日本語でのメールや電話サポート、FAQやヘルプページの充実度などを確認しておくと安心です。
5. 操作性の高さを確認する(トライアルの活用)
どんなに高機能なツールでも、操作が複雑で使いこなせなければ意味がありません。直感的にアンケートを作成・集計できるか、管理画面は分かりやすいか、といった操作性は必ず確認しましょう。
ほとんどの有料ツールには無料トライアル期間が設けられています。この期間を積極的に活用し、実際にアンケートを作成してみることで、自社の担当者がスムーズに使えるかどうかを見極めることが、ツール選びの成功に繋がります。
【無料】で使えるおすすめアンケート作成ツール4選
まずは、コストをかけずに始めたい方や、小規模なアンケートを実施したい方向けに、無料で使えるおすすめツールを4つ紹介します。
Googleフォーム|Googleアカウントがあれば誰でも無料で使える
Googleフォームは、Googleアカウントがあれば誰でもすぐに利用できる、最も手軽なアンケート作成ツールです。質問数や回答数に制限がなく、完全無料で利用できるのが最大の魅力です。
回答結果は自動的にGoogleスプレッドシートに集計されるため、データの管理や分析が非常に簡単です。シンプルなインターフェースで直感的に操作できるため、アンケート作成が初めての方でも安心して使えます。社内アンケートや簡単なイベントの出欠確認など、幅広い用途で活躍します。
項目 | 詳細 |
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特徴 | 完全無料、質問・回答数無制限、スプレッドシート連携 |
無料プランの制限 | 特になし(デザインのカスタマイズ性は低い) |
おすすめの用途 | 社内アンケート、イベント登録、個人の簡単な調査 |
Microsoft Forms|Office 365ユーザーに最適
Microsoft Formsは、Microsoft 365(旧Office 365)に含まれているアンケート作成ツールです。Microsoft 365ユーザーであれば追加料金なしで利用できます。
ExcelやTeamsといったMicrosoft製品との連携が非常にスムーズで、回答結果を簡単にExcelに出力して分析したり、Teams上でアンケートを共有したりできます。操作性もGoogleフォームと似ており、シンプルで使いやすいのが特徴です。特に、普段から業務でOffice製品を使っている企業におすすめです。
項目 | 詳細 |
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特徴 | Office 365とのシームレスな連携、簡単な操作性 |
無料プランの制限 | Microsoft 365のライセンスが必要 |
おすすめの用途 | 社内アンケート、教育機関での利用、Office製品中心の業務環境 |
Questant(クエスタント)|テンプレートが豊富で初心者でも簡単
Questantは、国内大手ネットリサーチ会社のマクロミルが提供するアンケートツールです。最大の特長は、70種類以上の豊富なテンプレートが用意されており、アンケート作成の知識がなくてもプロ品質のアンケートを簡単に作成できる点です。
顧客満足度調査や商品アンケートなど、目的別のテンプレートを選ぶだけで、適切な質問項目がセットされたアンケートが完成します。無料プランでは質問数10問、回答数100件までという制限がありますが、直感的な操作性は高く評価されており、アンケート作成初心者の方に特におすすめです。
項目 | 詳細 |
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特徴 | 豊富なテンプレート、直感的な操作、マクロミル社のノウハウ |
無料プランの制限 | 質問数10問/フォーム、回答数100件/月、ロゴ非表示不可 |
おすすめの用途 | 小規模な顧客調査、アンケート作成初心者、手軽に試したい方 |
SurveyMonkey(無料プラン)|世界最大級ツールの基本機能を試せる
SurveyMonkeyは、世界中で利用されているアンケートツールの最大手です。無料プラン(BASICプラン)でも、基本的なアンケート作成機能を体験することができます。
プロが作成したテンプレートが豊富に用意されており、質問形式も多様です。ただし、無料プランでは1アンケートあたり10問まで、閲覧できる回答は40件までという厳しい制限があります。本格的な利用には有料プランが必須ですが、世界標準のツールの使い勝手を試してみたい方には良い選択肢です。
項目 | 詳細 |
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特徴 | 世界的な実績、豊富なテンプレート、多様な質問タイプ |
無料プランの制限 | 質問数10問/フォーム、閲覧可能な回答数40件/フォーム |
おすすめの用途 | 有料プラン導入前のお試し、ツールの機能性を確認したい方 |
【有料】高機能なおすすめアンケート作成ツール4選
より本格的な調査や、アンケートをビジネス成果に直結させたい方向けに、高機能な有料ツールを4つ紹介します。
SurveyMonkey(有料プラン)|高度な分析機能で本格的な調査に
SurveyMonkeyの有料プランは、無料プランの制限が解除されるだけでなく、クロス集計やテキスト分析といった高度な分析機能が使えるようになります。これにより、回答データを多角的に分析し、より深いインサイトを得ることが可能です。
例えば、「20代女性」と「40代男性」で満足度にどのような違いがあるか、といった深掘りが簡単に行えます。多言語対応やブランドロゴの挿入も可能で、グローバル調査や本格的なマーケティングリサーチに最適なツールです。
項目 | 詳細 |
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料金(月額) | 5,500円~ |
特徴 | 高度なデータ分析機能、多言語対応、豊富な連携アプリ |
おすすめの用途 | 中~大規模な市場調査、顧客満足度調査、グローバル調査 |
formrun|フォーム作成から顧客管理まで一元化
formrunは、アンケートフォームだけでなく、問い合わせフォームや申し込みフォームの作成にも強いツールです。フォーム作成から、回答データの管理、顧客とのコミュニケーションまでを一つのツールで完結できるのが最大の強みです。
カンバン方式の管理画面で、回答状況(未対応、対応中など)を視覚的に管理できます。また、入力フォームの項目を最適化し、ユーザーの離脱を防ぐEFO(入力フォーム最適化)機能も充実しています。Webサイトからのリード獲得や、顧客管理を効率化したい企業に最適です。
項目 | 詳細 |
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料金(月額) | 12,980円~(無料プランあり) |
特徴 | フォーム作成と顧客管理を統合、カンバン方式の管理画面、EFO機能 |
おすすめの用途 | Webサイトの問い合わせフォーム、イベント申し込み、リード管理 |
CREATIVE SURVEY|デザイン性で回答率アップを目指すなら
CREATIVE SURVEYは、その名の通りデザイン性の高さに徹底的にこだわったアンケート作成ツールです。UI/UXが洗練されており、回答者がストレスなく楽しめるような、インタラクティブなアンケートを作成できます。
ブランドイメージに合わせた自由なカスタマイズが可能で、美しいデザインはアンケートの回答率向上にも繋がります。企業のブランディングを重視する顧客向けアンケートや、ユーザー体験を大切にしたい場合に非常に強力なツールです。
項目 | 詳細 |
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料金(月額) | 要問い合わせ |
特徴 | 圧倒的なデザイン性、高いカスタマイズ性、優れたUI/UX |
おすすめの用途 | 顧客向けアンケート、ブランドイメージ調査、デザインを重視する調査 |
WEBCAS formulator|セキュリティとカスタマイズ性を重視する大企業向け
WEBCAS formulatorは、官公庁や大手企業での導入実績が豊富な高機能フォーム作成ツールです。ISMS認証(ISO 27001)を取得するなど、非常に高いセキュリティレベルを誇ります。
複雑な条件分岐やデータベース連携など、高度なカスタマイズにも柔軟に対応できるため、企業の基幹システムと連携した大規模なアンケートも実現可能です。セキュリティ要件が厳しい、または独自のシステム連携が必要なエンタープライズ向けのツールと言えます。
項目 | 詳細 |
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料金(月額) | 30,000円~ |
特徴 | 高セキュリティ、自由度の高いカスタマイズ、大規模運用に対応 |
おすすめの用途 | 大規模アンケート、セキュリティを最重視する調査、システム連携が必要な場合 |
【目的別】特化型のおすすめアンケート作成ツール3選
特定の目的に特化した機能を持つツールも存在します。ここでは、社内向けと顧客向けの特化型ツールを3つ紹介します。
【社内向け】HRBrain|従業員エンゲージメント向上に特化
HRBrainは、従業員のエンゲージメント向上や組織改善を目的としたHRテックツールです。アンケート機能もその一環として提供されており、eNPS(従業員推奨度)調査や360度評価、パルスサーベイといった、人事領域に特化したテンプレートが豊富に用意されています。
単にアンケートを取るだけでなく、結果を分析して組織の課題を可視化し、改善アクションに繋げるまでを一貫してサポートします。人事課題の解決や、従業員の満足度向上に本気で取り組みたい企業におすすめです。
【社内向け】Geppo|パルスサーベイで組織の状態を可視化
Geppoは、月に一度、3つの質問に従業員に回答してもらう「パルスサーベイ」に特化したツールです。個人のコンディション変化や、組織の課題をリアルタイムで把握し、離職の兆候などを早期に発見することを目的としています。
シンプルな仕組みで従業員の負担が少なく、継続しやすいのが特徴です。集まったデータは専門家が分析し、組織改善のための具体的なアドバイスを提供してくれます。従業員のコンディションを定期的に把握し、プロアクティブな組織運営を目指す企業に最適です。
【顧客向け】Zoho Survey|Zoho CRMとの連携が強力
Zoho Surveyは、ビジネスツール群「Zoho」シリーズの一つで、特にZoho CRM(顧客管理システム)との連携が非常に強力です。CRMに登録されている顧客情報とアンケート結果を紐づけることで、より詳細な顧客分析が可能になります。
例えば、「特定の商品を3回以上購入した顧客」の満足度をピンポイントで調査するといった活用ができます。40以上の言語に対応しており、グローバルな顧客調査にも適しています。すでにZoho製品を利用している企業はもちろん、顧客データに基づいたマーケティングを強化したい企業におすすめです。
Googleフォームでは不十分?他のツールを検討すべき理由
多くの人が利用しているGoogleフォームですが、ビジネスユースでは機能不足を感じる場面もあります。なぜ他のツールを検討すべきなのか、3つの理由を解説します。
デザインのカスタマイズ性に限界がある
Googleフォームのデザインはシンプルで分かりやすい反面、カスタマイズの自由度は低いです。ヘッダー画像やテーマカラーの変更はできますが、フォントの変更やレイアウトの調整はできません。そのため、企業のブランドイメージを反映した、デザイン性の高いアンケートを作成するのは困難です。顧客向けのアンケートでは、デザインが回答率や企業イメージに影響を与えるため、重要な要素となります。
高度な集計・分析機能が不足している
Googleフォームの回答はスプレッドシートで集計できますが、クロス集計やフィルタリングといった高度な分析を行うには、手作業で加工する必要があり手間がかかります。有料ツールに搭載されているような、ダッシュボード上で自動的にクロス集計を行ったり、特定の回答者をセグメントして分析したりする機能はありません。データに基づいた深い洞察を得たい場合には、機能不足を感じるでしょう。
条件分岐(ロジック)設定が限定的
Googleフォームにも、「回答に応じてセクションに移動」という簡単な条件分岐機能はあります。しかし、「Aと回答した人には質問3を、Bと回答した人には質問4を表示する」といった複雑なロジックを組むのは難しいです。回答者ごとに関係のない質問をスキップさせ、スムーズな回答体験を提供したい場合、より高度なロジック機能を持つ専用ツールの方が適しています。
回答率が劇的に変わる!アンケート作成の8つのコツ

最適なツールを選んでも、アンケートの内容そのものが良くなければ、質の高い回答は集まりません。ここでは、回答率を劇的に上げるための8つのコツを紹介します。
1. 魅力的なタイトルと明確な目的提示
アンケートの冒頭で、回答者に「これは自分に関係がある」「協力したい」と思わせることが重要です。「〇〇に関するご意見をお聞かせください(5分程度)」のように、タイトルで内容を伝え、アンケートの目的と所要時間を明確に提示しましょう。目的が明確であれば、回答者も協力しやすくなります。
2. 回答時間の目安を伝え、負担を軽減する
アンケートがどれくらいで終わるのか分からないと、回答者は途中で離脱しやすくなります。「所要時間:約3分」「全10問」のように、冒頭で具体的なボリュームを伝えることで、心理的なハードルを下げることができます。回答者の貴重な時間をいただくという意識を持ち、負担を軽減する配慮が大切です。
3. 質問数は必要最小限に絞る
「あれもこれも聞きたい」という気持ちは分かりますが、質問数が多すぎると回答者の集中力が切れ、回答の質が低下したり、離脱の原因になったりします。アンケートの目的に立ち返り、「この質問は本当に必要か?」と自問自答しましょう。質問数は5〜10問程度に絞るのが理想的です。
4. 簡単な質問から始める構成を意識する
アンケートの構成は、回答のしやすさに大きく影響します。「はい/いいえ」で答えられる簡単な質問や、選択式の質問から始め、徐々に自由記述などの回答に手間がかかる質問へと進むのが基本です。最初に難しい質問があると、回答意欲を削いでしまう可能性があります。スムーズな流れを意識して質問を配置しましょう。
5. 質問形式を適切に使い分ける
アンケートには様々な質問形式があります。目的に合わせて最適な形式を選ぶことで、回答しやすく、かつ分析しやすいデータを収集できます。
質問形式 | 特徴 | 用途例 |
---|---|---|
単一回答 | 選択肢から1つだけ選ぶ | 性別、年代など |
複数回答 | 選択肢から複数選ぶ | 興味のある分野、利用経験のあるサービス |
マトリクス | 複数の項目を同じ尺度で評価する | サービス各機能の満足度評価 |
リッカート尺度 | 5段階や7段階で同意度を測る | 満足度、同意度(「非常に満足」〜「非常に不満」) |
自由記述 | 自由に文章で回答してもらう | 具体的な意見、改善要望のヒアリング |
6. バイアスを生まない中立的な質問文を心がける
質問文が回答を誘導するような表現になっていると、正確なデータが得られません。これを「誘導質問」と呼びます。例えば、「当社の素晴らしいサービスについてどう思いますか?」と聞くと、肯定的な意見に偏りやすくなります。「当社のサービスについて、良い点と改善点を教えてください」のように、中立的で客観的な表現を心がけましょう。
7. インセンティブを用意する
謝礼や特典(インセンティブ)を用意することも、回答率を上げる有効な手段です。回答者全員に提供するのか、抽選で提供するのか、ターゲット層に合わせて魅力的なインセンティブ(Amazonギフト券、クーポン、ポイントなど)を検討しましょう。ただし、インセンティブ目当ての不誠実な回答が増える可能性もあるため、注意が必要です。
8. パイロットテストで事前に問題点を発見する
アンケートを本配信する前に、必ず社内の人やターゲットに近い属性の少数グループにテスト回答してもらいましょう。これを「パイロットテスト」と呼びます。質問文の意味が分かりにくい箇所はないか、回答に時間がかかりすぎないか、選択肢に抜け漏れはないかなどを事前にチェックすることで、アンケートの品質を大きく向上させることができます。
【応用編】アンケートの集計・分析を効率化するテクニック
アンケートは実施して終わりではありません。集めたデータをいかに効率的に分析し、次のアクションに繋げるかが重要です。
ツール連携で通知やデータ入力を自動化する
多くのアンケートツールは、外部ツールとの連携機能を備えています。例えば、Slackと連携すれば、アンケートに回答があった際にリアルタイムで通知を受け取ることができます。また、CRMツールと連携すれば、回答データを顧客情報に自動で紐づけることも可能です。こうした自動化によって、手作業による入力ミスを防ぎ、業務を大幅に効率化できます。
クロス集計で隠れたニーズを発見する
クロス集計とは、2つ以上の質問項目を掛け合わせて分析する手法です。例えば、「年代」と「商品満足度」をクロス集計することで、「20代は満足度が高いが、50代以上は低い」といった、単純集計だけでは見えてこない属性ごとの傾向や隠れたニーズを発見できます。多くの有料アンケートツールには、このクロス集計機能が標準で搭載されています。
自由回答はテキストマイニングで傾向を掴む
「ご意見・ご要望」などの自由記述欄に寄せられた大量のテキストデータは、一つひとつ読むのが大変です。こうした場合は、テキストマイニングという手法が有効です。テキストマイニングツールを使えば、文章中に出現する単語の頻度や相関関係を分析し、「価格」「サポート」といったキーワードが多く言及されている、といった全体の傾向を効率的に把握することができます。
まとめ
本記事では、アンケート作成ツールの選び方から、無料・有料のおすすめツール、そして回答率を上げる作成のコツまで網羅的に解説しました。
最適なアンケート作成ツールは、「誰に、何を聞き、どう活用したいか」という目的によって決まります。機能の多さだけで選ぶのではなく、まずは自社の目的を明確にすることが、ツール選び成功への第一歩です。
この記事を参考に、ぜひあなたの目的にぴったりのツールを見つけてください。まずは気になる無料ツールをいくつか試してみて、操作感を確認することから始めてみましょう。適切なツールを導入し、顧客や従業員の声を正しく捉えることができれば、あなたのビジネスはさらに加速するはずです。