エレベーター広告とは
エレベーター広告とは、エレベーターホールやエレベーター内にデジタルサイネージを設置して広告や情報を配信すること。主に高層ビルや商業施設の利用者に動画広告や施設案内、ニュースなどを発信するデジタルマーケティング施策として活用されています。
エレベーター内はスマホが圏外になることも多く、手持ち無沙汰になりがちです。そこで広告を配信すれば高い視聴効果を獲得できるため、デジタルメディアが登場する前からエレベーター周辺にチラシやポスターを貼るという広告手法が浸透しています。
近年では、歳入確保をめざす自治体の取り組みとして公共施設のエレベーターに有料の広告スペースを設けることも少なくありません。そこにデジタルサイネージ導入すれば広告の視認性が高まり、ユーザーの興味と関心を短時間で引きつけることも可能になります。
エレベーター広告のサイネージは、薄型ディスプレイとプロジェクターが主流。それらをエレベーター内やエレベーターホールに設置して動画広告や施設案内などを配信します。プロジェクターを使用する場合はエレベーターのドアなどに映像を投影します。
DX技術を活用したデジタルサイネージのメリットは、配信システムによってコンテンツの表示をすぐに切り替えられること。スマホやモバイルPCで複数のサイネージを一括管理することもできます。紙媒体のような印刷や貼り替えはもちろん必要ありません。
さらにDXメディアの強みを活かして、特定のフロアや時間帯を指定して最適な広告を最適な場所とタイミングで発信することも可能。また通常は広告を配信し、緊急時には避難誘導に切り替えることもできるため、公共性の高い情報基盤としても活躍します。
最近ではデジタルサイネージに顔認証技術を導入して入退出者の属性に合った広告を表示したり、テレビチャンネルの放送機能で最新のニュースや天気予報を常時配信したり、防犯カメラとしても利用できるなどハードウエアの多機能化も進んでいます。
一般的な防犯カメラの場合、端末費と設置費用は最低でも数十万円を要します。それに対してカメラ付きのエレベーター広告ではサイネージの設置にかかる費用をサービス提供会社が全額負担する場合が多く、ビルオーナー側の導入コストは一切かかりません。
エレベーターという共用スペースにデジタルサイネージを設置して、利用者に有益な広告や公共性の高い情報を配信すれば、エレベーターを待つ時間の顧客体験を向上させるだけでなく、ビルの快適性や安全性が高まって物件価値の向上にもつながります。
グローバルではESGに関する配慮の意味でもエレベーター広告に注目する動きが高まっており、日本でもREITや大手不動産会社を中心に近年設置件数が急速に伸びています。
エレベーター広告の活用シーン
デジタルサイネージによるエレベーター広告は、配信情報の切り替えが簡単で、ターゲットをビルの入居者に限定した効率的なアプローチが可能。たとえば昼休みにはレストラン街の広告を配信し、訪問者が多い時間帯は施設案内などに切り替えることができます。
企業の決裁者にアプローチする
オフィスビルのエレベーターは、入居企業の代表や役員、マーケティング部門の実務担当者など決裁権を持つビジネスパーソンも毎日のように利用します。しかも上司と部下などグループで乗り合わせる機会が多く、エレベーター広告が話題になりやすいメリットも。
エレベーターは一度の利用者数や広告の視聴時間は限られますが、ペルソナを明確化したプロモーションやリードジェネレーションを行うことで、企業の決裁者に直接アプローチして効率よく成果へと導くことが可能になります。
エレベーター広告を活用するメリット
エレベータの広告の最大のメリットは、視聴率が高いこと。エレベータの待ち時間や利用中は手持ち無沙汰になって広告を見る傾向が高く、利用者の9割がエレベータのメディア広告を視聴するというデータも。そこで発揮されるのが「ザイアンス効果」です。
「ザイアンス効果」とは、最初は無関心でも何度も見たり聞いたりするうちに興味や好感を抱くようになる心理現象のこと。日本語で「単純接触効果」とも呼ばれます。エレベーター広告は何度も目に触れるためにザイアンス効果が働きやすい特徴があります。
エレベーター広告はBtoB商材と相性が良い
エレベーター広告と特に相性が良いのが、BtoB商材のマーケティングです。BtoBは決裁者が多く、購買の意思決定に時間がかかる傾向があります。そのため従来は展示会に決裁者を招いたり、営業パーソンが何度も足を運んで人脈を築いたりするのが一般的でした。
しかしながら近年では、インターネットの普及によって情報収集が容易にできるようになり、BtoB商材の営業担当者が苦労して顧客と接触したときにはすでにインターネットで別の商材の購買プロセスを進めていて成果にならないというケースも増えています。
現代のマーケティング戦略において、情報提供のスピードアップは重要なテーマのひとつ。BtoBマーケティングでは、顧客が商品やサービスの導入を考える前にアプローチして、決裁者や担当者全員に自社の製品やサービスの情報を伝える必要があります。
そこでエレベーター広告を活用すれば、企業の決裁者はもちろんバックオフィスの担当者やマーケティング実務者など現場のキーパーソンにもリーチできるため、プロモーションが難しいBtoB商材でも効率よくアプローチすることが可能です。
エレベーター広告のサービス会社はビルの立地やテナントの属性などを調査してサイネージの設定や広告コンテンツの内容を最適化します。魅力的なエレベーター広告はビルのイメージアップにもつながるため、ビルのオーナーにとってもメリットがあります。
エレベーター広告おすすめ3選
エレベーター広告を出稿するサービス企業は、専用機器の開発・製造、設置工事などを行うハードウエア系のプラットフォームサービスと、導入時のコンサルテーションからコンテンツ制作、効果検証などを行うコンテンツマーケティングの支援サービスがあります。
ここではエレベーター向けの運用型CMプラットフォームの提供会社と、ハードウエアの開発・製造をメインに提供しているサービスプラットフォームを厳選して3社ご紹介します。
株式会社東京
株式会社東京が提供するエレベーター広告を紹介いたします。
東京エレビGOはオフィスビルのエレベーターホールに独自開発の専用デジタルサイネージを無料で設置。広告コンテンツやビル管理者のお知らせ、防災マップなどを配信してビルの快適性を向上します。東京エレビGOのコンセプトは「無人コンシェルジュ」。エレベーターのエントランスは「ビルの顔」と言っても過言ではありません。東京エレビGOはコンシェルジュのように訪問者を温かく迎えるとともに有益な情報とサービスを24時間提供します。エレベーターホールのディスプレイはビルの保守会社への申請から設置工事までワンストップで対応。配信コンテンツの更新も自動です。料金は無料。ランニングコストはサイネージ1基につき月額200円前後の電気代以外は一切かかりません。
GRANDは都内屈指のオフィスビルに設置が可能なエレベーター広告。11,000社以上の都内ビジネス街で働く人々へサービス内容を訴求することができます。金額等は直接お問い合わせください。
LiftSPOT(リフトスポット)/エレベーターメディア株式会社
LiftSPOTはエレベーターメディア株式会社が提供するエレベーター専用の防犯カメラつきデジタルサイネージサービスです。エレベーター内の防犯サービスとともに、生活に役立つ広告配信サービスを提供。ビル空間の安全性と快適性、利便性を向上させます。
LiftSPOTはオフィスビルはもちろん住居スペースやマンションにも数多く設置されています。広告メニューも住居マンション専用プランや、エリアセグメンテーションプランを用意。リーチしたいターゲット層やエリアに最適化した広告配信が可能です。
LiftSPOTの設置と運営は無料です。初期費用や工事費はもちろん月額費用も一切かかりません。設置工事期間はエレベーター内の場合1時間程度で可能です。消費電力は、一基あたり約4.5KW/月以下。電気料金は概算で1ヶ月約88円程度となります。
LiftSPOTへの動画広告配信の料金については直接お問い合わせ下さい。