経営管理システム（MIS）おすすめ9選！主な機能やERPとの違い、選び方も紹介

経営管理の効率化を図り、より精度の高い意思決定をサポートする「経営管理システム（MIS）」。今、多くの企業が導入を検討しています。膨大なデータを一元管理し、業績をリアルタイムで可視化することで、戦略的な経営を後押しするこのツールですが、「どれを選べばいいのか」「ERPと何が違うのか」など、導入に踏み切れない理由も少なくありません。

そんな悩みを解決するために、本記事では 経営管理システムの基本的な役割や特徴、ERPとの違いを徹底解説。さらに、業種や規模に合わせて選べる おすすめのシステム9選 をご紹介します。それぞれの機能や導入のポイントも詳しくまとめているので、この記事を読むだけで、あなたの会社に最適なシステムが見つかるはずです。

経営の課題を解決し、未来の成長を支える強力なパートナーを見つけるために、ぜひ最後までご覧ください！

経営管理システムとは

経営管理システム（Management Information System、MIS）は、企業や組織が日常の業務や重要な意思決定を行う際に役立つ情報を提供するシステムです。このシステムは、必要な情報を収集、整理、分析し、管理者や経営者に分かりやすく提示します。

さまざまなデータを活用できるため、経営陣は効率的な戦略を立てたり、業務の流れを改善したりすることができます。また、データ分析やレポート作成の機能も備えており、組織のパフォーマンスを把握して、問題を早期に見つけたり、新たなチャンスを活かしたりするための大切なツールです。

ERPと経営管理システムの違い

経営管理システム（MIS）とエンタープライズリソースプランニング（ERP）は、どちらも組織内の情報を管理するためのシステムですが、その目的と役割に違いがあります。

ERPは、組織内の基幹業務を一元化し、統合的に管理するためのシステムです。会計、在庫管理、生産、販売、人事など、複数の業務プロセスを1つのシステムでまとめて管理することができます。一方、経営管理システム（MIS）は、これらの業務領域の効率化や、意思決定に必要な情報を提供することに特化しています。

たとえば、経営管理システムは、会計や人事など特定の分野での情報分析やレポート作成を重視します。一方で、ERPはデータの統合を通じて業務全体をスムーズに連携させることを目的としています。そのため、両システムは補完的な関係にあり、ERPと経営管理システムを連携させることで、業務効率のさらなる向上が期待できます。

最近では、ERPの機能を備えた経営管理システムも登場しており、企業のニーズに応じて柔軟に利用されています。

	経営管理システム	ERP
目的	経営判断や戦略的意思決定を支援するために情報を分析・提供。	業務プロセスを統合し、効率化を図るための基幹業務管理。
対象領域	特定の業務領域（会計、営業、人事など）を深く分析。	企業全体の主要業務（生産、財務、在庫、販売など）を一元管理。
特徴	データ分析・レポート生成に重点。 問題の早期発見や機会の最大化に寄与。	各部門の業務を統合し、リアルタイムで共有可能。 日常業務の効率化に貢献。
導入の位置付け	戦略的な経営判断を支援するためのツールとして導入。	業務運用を標準化し、生産性向上を目的として導入。
連携	ERPや他のシステムからデータを取得し、経営情報として活用。	MISや他の特化型ツールと連携して詳細な分析や補完が可能。

統合の進展

近年では、ERPシステムに経営管理機能を統合したソリューションも増加しています。これにより、以下のようなメリットが得られます。

• 業務効率化と戦略的分析の一体化
  • 運用データを基に、即座に経営判断を行う環境を構築。
• コスト削減
  • 単一のシステムで業務統合と経営管理を実現。
• 柔軟性の向上
  • 企業の規模や業種に合わせたカスタマイズが可能。

ERPとMISをうまく組み合わせることで、企業全体の運用効率と経営効率を両立させることが可能です。

経営管理システムの主な４つの機能とは？

経営管理システム（MIS）は、企業運営を効率化し、戦略的な意思決定をサポートするための多彩な機能を備えています。以下に、代表的な機能を詳しく説明します。

経営管理システムを選ぶ際のポイントは７つ

おすすめの経営管理システム9選

多くの企業で利用されている著名な経営管理システムを紹介します。

クラウドERP ZAC

項目	詳細
提供形態	クラウド、オンプレミス
タイプ	ERPタイプ
初期費用	初期設定費用：100,000円 導入支援費用：0円～ ※詳細は要問合せ
月額費用	月額136,000円〜、保守費用：月額60,000円〜
主な機能	プロジェクト管理、管理会計、受発注管理、販売管理、予実管理、分析・レポート　など

クラウドERP「ZAC」は、株式会社オロが提供するクラウドベースのERPソリューションで、案件・契約・プロジェクト単位で業務を進行する業種に最適化されています。

主な特徴

• プロジェクト別の収支管理
  • 各プロジェクトの収益性を可視化し、リアルタイムで損益状況を把握できます。これにより、赤字案件の早期発見や収益向上のための対策検討が可能です。
• 販売管理
  • 見込み・引合管理から受注・売上・請求・債権管理まで、販売管理業務全体をカバーします。プロジェクトの受注から売上計上までを一元管理することで、業務効率化と正確な収益把握を実現します。
• 購買管理
  • 発注予定管理から発注・仕入・支払・債務管理まで、購買管理業務全体を管理します。プロジェクトに必要な資材やサービスの調達を効率化し、コスト管理を強化します。
• 勤怠・工数管理
  • 労働時間や休暇取得を可視化し、「働き方改革」を支援します。プロジェクトごとの工数管理と連携することで、人材配置の最適化や労務コストの適正化を図ります。
• 経費管理
  • 内部統制に対応した経費管理機能を提供し、プロジェクト別原価計算を精緻化します。経費の発生から承認、精算までをシステム化することで、不正リスクの抑制と経費精算業務の効率化を両立します。
• 工程管理
  • プロジェクトの進捗状況と作業効率をリアルタイムに可視化します。遅延が発生している工程を早期に発見し、適切な対策を講じることで、プロジェクト全体のスケジュール遵守を支援します。
• 在庫管理
  • 在庫商品の仕入・入庫・引当など、物販を行うビジネスに対応します。プロジェクトに必要な在庫を適切に管理することで、在庫不足や過剰在庫による損失を防止します。

これらの機能により、ZACはプロジェクト型ビジネスの業務を統合し、効率化を実現してします。

＼ ビジネス業務を効率化 ／

---

SAP S/4HANA Cloud, public edition

SAP S/4HANA Cloud, public editionは、SAPが提供するクラウドベースのERPソリューションで、最新の業種別ベストプラクティスと継続的なイノベーションを提供する、すぐに使えるクラウドERPです。

主な特徴

• 業種別ベストプラクティスに基づく運用
  • 事前設定済みのプロセスを適用し、迅速な導入をサポートします。
• 柔軟なビジネスモデルの実現
  • ビジネスモデルの再構築や業務の再定義を柔軟に行えます。
• スケーラビリティの確保
  • シンプルさを維持しながら、顧客、市場、製品の追加が可能です。
• 迅速な本稼働開始
  • 実証済みのガイダンスを使用して、スピードと俊敏性を実現します。

さらに、最新のアップデートでは、組み込みのAI機能を通じて生産性を向上させる機能が追加されています。

また、SAP S/4HANA Cloud, public editionは、14日間の無料トライアルが提供されており、クラウドERPの機能や特徴を無償で試すことができます。

項目	詳細
項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	ERPタイプ
初期費用	0円
月額費用	月額40,000円〜
主な機能	「データベースサービス」「分析処理」「アプリの開発」「データアクセス」「管理」「セキュリティ」のカテゴリごとに様々な機能を搭載

＼ すぐに使えるクラウド ERP ／

---

Sactona（サクトナ）

Sactona（サクトナ）は、アウトルックコンサルティング株式会社が提供するクラウド対応型の経営管理システムです。このシステムは、予算編成、予算管理、見込管理、経営計画、事業計画など、さまざまな管理会計・経営管理業務の高度化・効率化を支援しています。

主な特徴

• 使いやすさ
  • ユーザーインターフェースとしてMicrosoft Excelを採用しており、使い慣れた環境で操作できます。これにより、導入時の抵抗感を軽減し、迅速なスタートが可能です。
• 柔軟性
  • 企業ごとの個別性や独自性を容易に実現でき、既存の業務プロセスに合わせたカスタマイズが可能です。
• 拡張性
  • 10ユーザーの小規模利用から1,000ユーザーを超える大規模利用までスケーラブルに対応できます。また、クラウドとオンプレミスの両方の導入形態に対応しており、企業のニーズに合わせて選択可能です。

さらに、Sactonaは多次元データベースを利用した大規模運用に耐えるエンタープライズシステムであり、リアルタイム情報反映、閲覧・編集権限設定、承認プロセス、メール配信、共通経費配賦などの機能を備えています。

DIGGLE

DIGGLE（ディグル）は、DIGGLE株式会社が提供するクラウド型の予実管理システムです。予算策定、予実突合、見込管理、分析・経営報告など、予実管理業務全体を一元的に管理し、経営データのリアルタイム共有を可能にしています。

主な特徴

• 予算策定から見込・実績管理まで一気通貫
  • 予算策定、予実差異分析、見込管理、レポート作成など、予実管理の標準的な業務フローをクラウド上で完結できます。これにより、属人的なエクセル業務を削減し、迅速かつ正確な経営意思決定を支援します。
• リアルタイムなデータ共有と分析
  • 会計システムから出力した実績データを自動で管理会計フォーマットへ変換・突合し、過去データや変更履歴との差分も簡単に比較できます。これにより、予算と実績の差異を迅速に特定し、データに基づくスピーディな意思決定が可能です。
• 柔軟なレポート作成機能
  • セグメント別、部門別、プロジェクト別など、見たい切り口・軸でデータを可視化・分析できます。売上や費用といった財務指標のほか、顧客数や販売数といった非財務指標も算出可能で、経営判断の質を向上させます。
• 手厚いサポート体制
  • 導入時だけでなく、運用開始後も、経営企画の実務経験が豊富な担当者がサポートを提供します。予実管理体制の構築支援など、企業のニーズに応じたサポートが受けられます。

DIGGLEは、予実管理業務の効率化と精度向上を目指す企業にとって、強力なツールと言えます。

項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	予実管理、管理会計タイプ
初期費用	要問合せ
月額費用	要問合せ
主な機能	予実突合、予算策定、見込管理、分析、レポート　など

Workday Adaptive Planning

Workday Adaptive Planningは、企業の計画、予測、分析を一元化する革新的なクラウドベースのソリューションです。これにより、迅速な意思決定をサポートし、ビジネスの柔軟性を高めます。

主な特徴

• 柔軟なプランニングと予算編成
  • 財務、人事、営業、オペレーションなど、組織全体の計画を統合し、シナリオプランニングや予算編成を柔軟に行えます。
• 多次元モデリング
  • Elastic Hypercube Technology（EHT）を活用し、複雑なビジネスモデルを多次元で分析・シミュレーションできます。
• AIと機械学習の活用
  • 生成AI機能により、データの検索や分析プロセスを簡素化し、迅速かつ戦略的な意思決定を支援します。
• シームレスな統合
  • ERP、CRM、HCMなど、既存のシステムと容易に連携し、データの一元管理とリアルタイムな情報共有を実現します。

これらの機能により、Workday Adaptive Planningは、企業が変化するビジネス環境に迅速に適応し、持続的な成長をサポートします。

項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	予実管理、管理会計タイプ
初期費用	要問合せ
月額費用	要問合せ
主な機能	予算編成、予算計画、営業計画、見込管理、分析・レポート　など

Manageboard

Manageboard（マネージボード）は、株式会社ナレッジラボが提供するクラウド型の予算管理・経営分析システムです。企業の予算策定、実績管理、財務分析、業績シミュレーションなど、経営管理業務を効率化し、迅速な意思決定をサポートしています。

主な特徴

• 会計ソフトとの連携
  • マネーフォワードクラウド会計などの会計ソフトとAPI連携が可能で、実績データを自動的に取り込み、手作業によるデータ入力の手間を削減します。
• 柔軟なレポート作成
  • 部門別、チーム別、勘定科目別など、さまざまな切り口でレポートを作成できます。カスタムレポート機能により、企業のニーズに合わせた詳細な分析が可能です。
• KPI管理
  • 売上やコストなどの財務指標だけでなく、客単価や営業日数といった非財務指標も管理でき、総合的な業績評価が行えます。
• シミュレーション機能
  • 将来の業績予測やキャッシュフロー予測をシミュレーションし、経営戦略の立案に役立てることができます。

これらの機能により、Manageboardは企業の予算管理業務を効率化し、経営判断の質を向上させるツールとして多くの企業に導入されています。

項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	予実管理、管理会計タイプ
初期費用	要問合せ
月額費用	要問合せ
主な機能	予実突合、予算策定、見込管理、分析・レポート　など

---

board

Boardは、AIと分析機能を活用したエンタープライズグレードのインテリジェント計画プラットフォームであり、財務および運用計画を推進しています。

主な特徴

• 統合事業計画（IBP）
  • 戦略、財務、業務計画を統合し、組織全体の業績を包括的に管理します。
• 多次元モデリング
  • 複雑なビジネスモデルを多次元で分析・シミュレーションし、柔軟なデータモデリングを可能にします。
• セルフサービス分析
  • ユーザーは検証済みの社内データおよび外部データソースに基づいてセルフサービスで分析を行え、迅速な意思決定を支援します。
• エンタープライズクラスのセキュリティ
  • 強力なハイブリッドインメモリアーキテクチャとエンタープライズクラスのセキュリティを備え、データの安全性とパフォーマンスを確保します。

これらの機能により、Boardは経営企画、財務、経理、サプライチェーン、小売、製造など多岐にわたる業界で、計画業務の効率化と高度化を実現しています。

項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	BIツールタイプ
初期費用	要問合せ
月額費用	月額980円〜
主な機能	見積書や請求書などの各種書類の作成、業務管理、分析・予測 など

---

Oracle ERP Cloud

Oracle ERP Cloud（正式名称：Oracle Fusion Cloud ERP）は、オラクルが提供する包括的なクラウド型エンタープライズ・リソース・プランニング（ERP）ソリューションです。財務、調達、プロジェクト管理、リスク管理、エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント（EPM）など、企業の主要なビジネスプロセスを統合的に管理し、自動化します。

主な特徴

• AIによる自動化
  • 人工知能（AI）を活用して手動プロセスを自動化し、業務効率を向上させます。これにより、チームはより戦略的な業務に集中できます。
• リアルタイム分析
  • 組み込みの分析機能により、市場の変化に迅速に対応するためのリアルタイムなインサイトを提供します。これにより、データに基づく迅速な意思決定が可能となります。
• 自動更新
  • クラウドベースの特性を活かし、システムは自動的に最新の状態に保たれ、常に最新の機能とセキュリティが提供されます。
• 統合管理
  • 財務管理、プロジェクト管理、調達、リスク管理、EPMなど、企業の主要なビジネスプロセスを一元的に管理し、部門間の連携を強化します。

Oracle ERP Cloudは、企業が変化するビジネス環境に適応し、競争優位性を維持するための強力なツールとして、多くの企業に採用されています。

項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	予実管理、管理会計タイプ
初期費用	要問合せ
月額費用	要問合せ
主な機能	管理会計、収益管理、会計管理、分析・レポート　など

---

Amoeba Pro

Amoeba Pro（アメーバプロ）は、京セラコミュニケーションシステム株式会社（KCCS）が提供するクラウド型の管理会計システムです。企業の管理会計の運用をサポートし、人、組織、会社の成長発展に貢献することを目的としています。

主な特徴

• 管理会計のPDCAサイクルを強力にサポート
  • 計画の立案から実績の集計、分析、改善まで、管理会計の一連のプロセスを効率化します。年次計画や月次予定・見通しの登録、承認、集計がリアルタイムで行えます。
• 多次元データベースによる多軸管理
  • 部門、事業、商品、プロジェクトなど、さまざまな軸で経営情報を分析できます。軸の切り替えやドリルダウン、データの絞り込みなど、柔軟な分析が可能です。
• 豊富な導入実績とサポート体制
  • The Amoeba 採算表システム」から発展したシステムであり、豊富な導入実績とノウハウを持つコンサルタントが運営をサポートします。
• 小規模ユーザー向けライセンス体系
  • 5ユーザー、10ユーザーといった小規模ユーザー向けのライセンス体系を新設し、従業員数や部門数が少ない企業でも導入しやすくなっています。

Amoeba Proは、企業の管理会計業務を効率化し、迅速な経営判断をサポートするクラウドサービスです。多角的なデータ分析と柔軟なレポート作成機能により、経営改善と意思決定のスピード向上に寄与しています。

項目	詳細
提供形態	クラウド
タイプ	予実管理、管理会計タイプ
初期費用	要問合せ
月額費用	65,000円〜
主な機能	計画策定・実績入力、科目管理、管理会計、経営分析、レポート、会議資料出力　など

まとめ

経営管理システム（MIS）は、企業の意思決定を支援し、業務効率を向上させるための重要なツールです。ERPとの違いを理解し、自社のビジネスニーズに最適なシステムを選定することが、成功への鍵となります。

本記事で紹介した9つのMISは、それぞれ独自の特徴と強みを持っています。選定に際しては、各システムの機能、柔軟性、コスト、サポート体制などを総合的に評価し、自社の戦略と業務プロセスに最も適したものを選ぶことが重要です。

適切なMISの導入により、データに基づく迅速かつ的確な意思決定が可能となり、企業の競争力強化と持続的な成長に寄与するでしょう。